2017年2月13日マレーシアのクアラルンプール国際空港で突然暗殺されたのは、
他でもない金正男(キム・ジョン・ナム)である。
それも一度も会ったことのない実弟と推測されている。

現地の警察が犯人捜査に懸命だが,未だ捜査は緒に就いたばかり。
現場情報では、6人の男女からなる組織的犯行である。
現在6人の内3人が逮捕されたが、北朝鮮籍は男性1人のみ。
いま世界中の人々が事態の推移を見守っている。
本著は故金正日(キムジョンイル)総書記の正男の肉声を、
初めてスクープした新聞記者(五味洋治)による衝撃の記録である!
2001年に初めてその存在が報じられて以来たびたび出現しては、
何かと話題を提供した金正男。
この一コマが、小泉内閣時代TDL訪問のため来日したが強制退去となっている。
弟が後継者になり判官びいきの成果、北朝鮮のプリンスに隠れファンが増加した。
だが、ここ数年は姿を現さず異母弟の正恩(ジョンウン)が後継者となり、
父にも勝る独裁政治を初めてからは、動静がめったに表には出てこなかった。
著者は2004年9月25日、
北京国際空港の1階ロビーで金正男と思われる男性と遭遇し声をかけます・・・。
それ以来著者と正男の、あわせて150通にもおよぶメールの交換が始まった・・・・・・。
その内容や、2回の面会など、正男の肉声が詳細に記されている。
「父上には国家元首という点を離れて、厳しいながらも情が多かった記憶しかありません」
「異腹の弟正恩の成長過程は知りません」
「三代世襲には反対」
などと率直に語ったことが記されている。
彼の人となりを示す話として、
本書を読めばホテルのエレベーターでは、
日本語で「お先にどうぞ!」と先を譲るなど、
知的で、ユーモアのセンスにあふれた彼の実像を伝えるのみならず、
正男を庇護する中国の目的を著者は鋭くえぐりだしている。
今回の金正男の暗殺事件を読み解くうえで欠かせない一冊。
2月25日に重版が緊急発売される予定である。
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posted by koinu at 14:40|
旅の本
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